iTOP イントロダクトリーコースを受けてみて

まりふ歯科 歯科衛生士 黒岩菜々美

今回受講したセミナーは iTOP といい、世界で実施されている TBI の実習を含む講習会でした。講義の内容は主に「歯周病の原因」「クラプロックスの製品について」「TBI の仕方」
の3つでした。
歯周病の原因については、4つの要因「環境」「宿主」「細菌」「咬合」が重複することで、
歯周病の発症の危険性が高まること。プラークの外側の方が悪玉菌が多く、プラークをためずに早期に除去することが大切という2つの事が大切だと学びました。
患者さんの中で一見健康そうな歯肉でも歯間ブラシを通すと出血するという人もいますが、それは内縁上皮に炎症があり小さな炎症なので見逃してしまうケースもあります。そういった人を減らす為にもフロスや歯間ブラシは大切なのだと思います。
クラプロックスの歯ブラシや歯間ブラシは、悪玉菌が多い後期のプラークを取り除いたり小さい炎症のある歯肉にも適している製品のようです。

クラプロックスの歯ブラシのコンセプトとしては、
① 効率よく磨け、清掃効果がある
② 歯や歯肉にやさしく傷つけない
③ 気持ちいい
の3つを大切にしているそうでナイロンではなくクーレンファイバーを使用しています。
そのため 2~3 か月使用が可能のようです。毛がやわらかいので歯肉マッサージにも適しています。歯間ブラシはナイロン製ですが毛が長いのでコルにも届く特性を持っています。
TBI の仕方は実習と一緒に学びました。主にクラプロックスの歯ブラシと歯間ブラシを使って相互実習や自分の口腔内で練習しました。
クラプロックスの歯ブラシはバス法を推奨しているそうで、そこがローリング法を得意とする gugu との違いです。かための歯ブラシでバス法をしてしまうと歯肉退縮を起こしてしまい、余計に磨きにくくプラークもたまりやすくなります。その点クラプロックスの歯ブラシはやわらかいので他の歯ブラシよりバス法に適しているそうです。
歯間ブラシは毛が長いのが特徴なので入れ方も特徴的で、最初に斜めに傾けて先端を挿入しその後まっすぐ入れるそうです。そういった入れ方をするとコルにも毛が届きます。
クラプロックスと gugu との違いは以下の表のようになりました。

クラプロックス gugu
毛の密度 高い ふつう
ブラッシング法 バス法 ローリング法
特徴 歯肉を傷つけない ペングリップで持ちやすく動かしやすい

どちらの歯ブラシも特化している部分が違うので、患者さんに合わせて TBI をしようと思います。ただまりふ歯科はブラッシングが苦手だったりフロスや歯間ブラシを使わない人が多い傾向にあるので、一般の歯間ブラシと操作方法が違うクラプロックスの歯間ブラシは受け入れにくい可能性があります。また私自身歯間ブラシよりはフロスというイメージが強かったので、歯間ブラシとフロスをすすめるのもその人に合わせて行おうと思います。
講義の症例の一つに、フロスの誤った使い方で歯が削れてしまった人もいました。歯ブラシも歯間ブラシも一緒で使い方を誤ればどんなにいい製品でも患者さんにとってデメリットになってしまいます。その製品の特性を知り適した使用方法を教える事が、私達歯科医療従事者の役目だと思います。